DTC P0130/21 O2センサ系統B1S1

準備品一覧

回路説明

排気ガス中のCO、HC、NOxを効率良く浄化できるよう三元触媒が使用されている。この三元触媒は理論空燃比付近で最も効率的に機能する。このため理論空燃比付近で Engine を正確に制御しなければCO、HC、NOxを効率良く浄化することができない。オキシジエンセンサはこの制御を目的として取り付けられている。オキシジエンセンサは理論空燃比付近で正常な燃焼が行なわれたときに排出される排気ガス内の酸素濃度を検出すると、その出力電圧が突然変化するという特徴を利用し、空燃比制御を正確に行えるよう Engine コントロールコンピュータに信号を送っている。空燃比が薄くなると、排気ガス中の酸素濃度が増えて、オキシジエンセンサは Engine コントロールコンピュータに空燃比が薄い状態であるという情報を送る。(小電力起動:<0.45V)空燃比が濃くなると、排気ガス中の酸素濃度が少なくなり、オキシジエンセンサは Engine コントロールコンピュータに空燃比が濃い状態であるという情報を送る。(大電力起動:>0.45V) Engine コントロールコンピュータは、オキシジエンセンサの起電力信号により空燃比が濃いか薄いかを判断し、それにより噴射量を制御する。ヒータ付きオキシジエンセンサは、ジリコニウムエレメントを温めるヒータを持っており、これは Engine コントロールコンピュータにより制御され、排気ガスの温度が低い時(吸入空気量が少ない時等)にオキシジエンセンサが冷えることにより正確作動できなくなるのを防ぐ目的でヒータへ電流を流す。

DTC No.
DTC検出条件
1.診断条件 2.異常状態 3.異常期間 4.その他
点検部位
P0130/21
1. Engine 暖機後、 Engine 回転数2500r/min未満
2.オキシジエンセンサ回路の短絡
3.60秒以上
4.2トリップ
  • ワイヤハーネスまたはコネクター
  • オキシジエンセンサ
  • Engine control コンピュータ
□ 参 考 □

オキシジエンセンサ出力電圧点検手順

  1. S2000を画面表示に従って、ノーマルモードからチェックモードへ切り替える。(要領は05-4 参照)[★1]
  2. Engine を始動させて、100秒以上アイドリングさせる。[★2]
  3. 車両を時速40km以上で20秒以上運転する。[★3]
  • Engine を20秒以上アイドリングする。[★4]
  • [★3]−[★4]を3回繰り返す。
  • Engine を30秒間アイドリングする。[★5]
  • O2センサ電圧B1S1の出力電圧を点検する。
  • ■ 注 意 ■
    このテストを確実に行わないと、正確な不具合検出が不可能になります。

    □ 参 考 □
    不具合があるなら、手順[★5]を行なっている際にチェック Engine ウォーニングランプが点灯する。

    回路図

    診断手順

    □ 参 考 □
    • もし車両が燃料切れによる Engine 停止(ガス欠状態)になった場合、 Engine コントロールコンピュータは空燃比がリーン(混合気が薄い)と判断し、DTC P0171/25が記録されると同時にチェック Engine ウォーニングランプを点灯させる。
    • P0100/31(エアフロメータ系統)、P0130/21(O2センサ系統B1S1)、P0135/21(O2センサ系統B1S1)、P0171/25(リーン異常)、P0172/26(リッチ異常)、P0505/33(ISCV系統)が連続して出力されるなら、+B等(電源系統)が断線している可能性がある。
    • SST(S2000)を使用して、フリーズフレームデータを読み取る。フリーズフレームデータには、不具合発生時の Engine 稼動状態の一部を記録してあり、それらの情報がトラブルシュートを行う際に役立つ。

    手順1
    S2000データ読み取り(O2センサ電圧B1S1)

    SST
    09991-60101
    09991-60300
    1. 約90秒間2500r/minで、オキシジエンセンサを暖機する。

    2. SST(S2000)を使用して、アイドル回転時のO2センサ電圧B1S1を読み取る。


    3. 測定結果
      0.4V以下と0.55V以上の電圧が繰返し出力される
        OK
        NG
        次の手順へ

    手順2
    ワイヤハーネスまたはコネクター点検( Engine コントロールコンピュータ−オキシジエンセンサ)(点検要領および注意事項は01-31 参照)

    SST
    09082-00030
    09083-00150
    1. Engine control コンピュータのコネクターBおよびオキシジエンセンサのコネクターを切り離す。

    2. SST(トヨタエレクトリカルテスター)を使用して、 Engine コントロールコンピュータワイヤハーネス側コネクター⇔オキシジエンセンサワイヤハーネス側コネクター間の導通および短絡を点検する。(端子配列は05-16 参照)


    3. 基準
      測定端子(端子名)
      Engine control コンピュータ⇔オキシジエンセンサ
      基準
      B23(OX1A)⇔3(OX1A)
      導通があり他の端子間およびボデーアース間と短絡がないこと
      基準
      測定端子(端子名)
      オキシジエンセンサ⇔ボデーアース
      基準
      4(E1)⇔ボデーアース
      導通あり
        NG
        ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換
        OK
        オキシジエンセンサ交換

    手順3
    作動確認運転実施

    SST
    09991-60101
    09991-60300
    1. DLC3にSST(S2000)を接続する。

    2. Ignition スイッチをONにして、SST(S2000)の画面表示に従ってダイアグコードを消去する。

    3. System 確認のため、走行テストによるオキシジエンセンサの暖機を実施する。

    4. □ 参 考 □
      実施要領については、オキシジエンセンサ出力電圧点検順序参照。

        GO
        次の手順へ

    手順4
    ダイアグコード読み取り

    SST
    09991-60101
    09991-60300
    1. DLC3にSST(S2000)を接続する。

    2. Ignition スイッチをONにして、SST(S2000)の画面表示に従ってダイアグコードを読み取る。

      1. DTC P0130/21が出力されているか確認する。


      2. 検出結果
        P0130/21を表示
        正常コードを表示
        B
        常時発生しない問題の点検
        A
        Engine コントロ-ルコンピユ-タ点検および交換