構造と作動

トルクコンバーター

ケース類

ギヤトレーン

構成部品

  1. ギヤトレーン
  2. 構成部品とその作用
    構成部品
    作 用
    フォワードクラッチ
    C1
    インプットシャフトとフロントプラネタリーリングギヤを接続
    ダイレクトクラッチ
    C2
    インプットシャフトとフロント & リヤプラネタリーサンギヤを接続
    U/Dクラッチ
    C3
    U/DサンギヤとU/Dプラネタリーキャリアを接続
    2ndコースト Brake
    B1
    フロント & リヤプラネタリーサンギヤの回転をロック
    2nd Brake
    B2
    フロント & リヤプラネタリーサンギヤの左回転をロック
    1st & Rev Brake
    B3
    リヤプラネタリーキャリアの回転をロック
    U/D Brake
    B4
    U/Dサンギヤの回転をロック
    ワンウェイクラッチ1
    F1
    B2作用時にフロント & リヤプラネタリーサンギヤの左回転をロック
    ワンウェイクラッチ2
    F2
    リヤプラネタリーキャリアの左回転をロック
    U/Dワンウェイクラッチ
    F3
    U/Dサンギヤの右回転をロック
    構成部品とその作動条件
    レンジ
    C1
    C2
    C3
    B1
    B2
    B3
    B4
    F1
    F2
    F3
    ギヤ比
    A247E
    A248F
    P
     
     
     
     
     
     
     
     
     
    R
     
     
     
     
     
     
     
    2.977
    3.272
    N
     
     
     
     
     
     
     
     
     
    D
    1st
     
     
     
     
     
     
    3.643
    4.005
    2nd
     
     
     
     
     
    2.008
    2.208
    3rd
     
     
     
     
     
    1.296
    1.425
    4th
     
     
     
     
     
     
    0.892
    0.981
    3
    1st
     
     
     
     
     
     
    3.643
    4.005
    2nd
     
     
     
     
     
    2.008
    2.208
    3rd
     
     
     
     
     
    1.296
    1.425
    2
    1st
     
     
     
     
     
     
    3.643
    4.005
    2nd
     
     
     
     
    2.008
    2.208
    L
    1st
     
     
     
     
     
    3.643
    4.005

作 動

  1. D・2レンジの1stギヤ
  2. Dレンジの2ndギヤ
  3. Dレンジの3rdギヤ
  4. DレンジのO/Dギヤ
  5. 2レンジの2ndギヤ
  6. Lレンジの1stギヤ
  7. RレンジのRevギヤ

パーキングロック機構

オイルポンプ

ハイドロリックコンロトール部(油圧制御装置)

ECT制御

構成部品

  1. Input axis rpm Sensor
    1. トランスミッションのインプット回転数を検出する入力軸回転数センサーをトランスアクスルケース部に取り付けました。
    2. 入力軸回転数センサーのローター機能として,C2クラッチのスプラインを使用しています。

  2. リニアソレノイドバルブ(SLU・SLT)
  3. 油温 Sensor
  4. スノーモードスイッチ

油圧コントロール制御

  1. ライン油圧制御
    1. リニアソレノイド(SLT)を用いてライン油圧をコントロールすることにより, Engine 側からのトルク情報をもとにライン油圧を最適制御しています。これにより,ライン油圧を Engine 出力や走行状態に応じてきめ細やかに制御することが可能となります。

  2. クラッチ油圧の最適制御
    1. リニアソレノイドを用いてクラッチ係合油圧をコントロールすることにより,滑らかな変速特性を確保しています。
    2. 入力軸回転数センサーおよび各種センサーからの信号を監視し,クラッチ係合油圧を Engine 出力や状況に応じて高精度にきめ細やかに制御することが可能となります。

  3. フレックスロックアップ制御
    1. ロックアップクラッチ(機械的な動力伝達)とトルクコンバーター(流体による動力伝達)の動力伝達配分を走行状態に応じてきめ細やかに制御することにより,伝達効率を大幅に高めています。
    2. フレックスロックアップ System では,中間モード(ロックアップクラッチに微少な滑りを与える)を低車速域に設定し,ロックアップ作動領域をより拡大しています。また,減速時においてもロックアップ作動を行うことにより,フューエルカット領域の拡大が可能となり,大幅な燃費の向上を実現しています。
    3. フレックスロックアップ制御には,最先端のH(エッチ インフィニティ)制御理論を用い,様々な特性変化に対する System の安定性と応答性を高次元で両立しました。
      1. 変速およびロックアップの作動条件
        1. シフトポジション, Engine 冷却水温など以下の条件下においてロックアップが行われます。
        2. ロックアップパターン
          シフトポジション
          ロックアップ制御
          フレックスロックアップ作動
          Dレンジ
          4th
          3rd,4th(加減速時)
          3レンジ
          3rd
          3rd(減速時)
          オーバードライブおよびロックアップパターン
           
          オーバードライブ
          ロックアップ
          フレックスロックアップ
          シフトポジション
          Dレンジ
          3レンジ
          Engine 冷却水温
          47℃
          60℃
          73℃(減速時)
          Stop lamp switch
          OFF
          スロットルバルブ開度
          アイドル“ OFF ”

  4. 登降坂変速制御
    1. アップダウンのあるワインディング路等の走行で,登坂時には登りと判定した場合,4thへのアップシフトを制限し,スムースな走行を実現します。
    2. また,降坂時では,4thでスロットル開度と車両加速度により下りを判定した場合, Brake 操作を検知すると3速にダウンシフトして適度な Engine Brake 力を発生させます。
    3. System は通常のECT制御と同じくスロットルポジションセンサー,車速センサーにより構成されています。
      1. 登降坂路判定
        1. コンピューター内に記憶された基準加速度と,スピードセンサー信号から算出した実際の加速度とを比較することで登・降坂路を判定します。基準加速度より実加速度が小さい場合を登坂時,基準加速度より実加速度が大きい場合を降坂路として判定しています。

  5. ダイアグノーシス機能
    1. 各センサーからの信号により異常を検出した場合,Combination meter内のチェック Engine ウォーニングランプを点灯させて運転者に警告します。
    2. 車両側のDLC3コネクターに診断ツールS2000を接続することにより,SAE規格のダイアグコード出力,データの呼び出し,アクティブテストなど正確かつ詳細な故障診断を可能としました。

  6. フェイルセーフ機能
    1. センサー類および各ソレノイドに異常が発生した場合でも,運転性を大きく損なわないようにする機能です。
    フェイルセーフ機能一覧
    異常箇所
    機 能
    車速 Sensor
    車速センサー(SP2)故障時,入力軸回転数センサー(NCO)信号,または Engine 制御用クランクポジションセンサー(Ne)信号により変速制御を行います。
    トランスミッション Solenoid
    故障したソレノイドへの通電を停止し,正常なソレノイドのON・OFFにより変速を行います。また,全ソレノイドに異常が発生した場合は,機械的な油圧回路によるギヤ位置となります。
    リニアソレノイド(SLU)
    ソレノイドへの制御電流を停止してロックアップ制御を中止します。
    リニアソレノイド(SLT)
    ソレノイドへの制御電流は停止します。また変速制御は通常制御されます。