- 1AZ-FSE Engine 搭載4WD車に,A248F型オートマチックトランスアクスル+ MF1A型トランスファー,F15SV型リヤディファレンシャルを使用したVフレックスフルタイム4WDを採用しました。
- 3S-GTE Engine 搭載4WD車に,U140F型オートマチックトランスアクスル+ MF2AV型トランスファー,F17SU・F17TU型リヤディファレンシャルを使用したフルタイム4WDを採用しました。
- Vフレックスフルタイム4WDのリヤデファレンシャル部に設定されたビスカスカップリングは,センターデフ機能と差動制限機能を合わせ持っているため, System の簡素化および小型・軽量化を実現しています。
- フルタイム4WDのトランスファー部に差動制限機能を持つビスカスカップリングを設定して, System の簡素化および小型・軽量化を実現しています。
- ビスカスカップリングは旋回時などの前後輪の回転数差も吸収しています。
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- リヤデファレンシャルの入力部直前に差動回転数感応型のビスカスカップリングを配置することにより,前後輪間に回転数差がほとんど無い状態では後輪に駆動力がほとんど伝達されません。また,コーナーリング時や雪道,登坂時,発進時,加速時など前後輪間に回転数差が発生するとビスカスカップリングの作用により,直ちに後輪に駆動力が伝達され,さまざまな路面で安定した操縦性・安定性を実現します。
- 通常の直線走行時など,前・後輪に回転数差が微少な場合は,ビスカスカップリングの発生トルクが小さく2WD車(FF車)に近い状態で走行しています。
- コーナーリング時や雪道,登坂時,発進時,加速時など,前後輪に回転数差が生じた場合には,ビスカスカップリングが作用し,後輪に駆動力が伝達され4WD状態となります。
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- ビスカスカップリング
- シリコンオイルの持つ粘性により,オイルがせん断される時に発生するせん断応力を利用してトルク伝達を行うもので,一種の液体クラッチといえます。
- Vフレックスフルタイム4WDでは,プレート形状の最適化により前後輪の最適な差動トルク特性を実現するとともに,回転時のアンバランス低減をはかり,優れた静粛性を実現しました。
- 構 造
- ハウジングとインナーシャフトにはそれぞれスプラインが設けてあり,ハウジング側にはプロペラシャフト,インナーシャフトにはスプラインによりドライブピニオンとつながっています。
- カップリング内部には多数のプレートとシリコンオイルが組み込まれ,後輪の駆動力伝達を行っています。なお,ビスカスカップリングは非分解式となっています。
- ディファレンシャルフロントカバーは放熱性および軽量化のためアルミ製としました。
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- 作 動
- 差動がない場合
- アウター,インナープレート間にあるシリコンオイルはプレートと同回転し,粘性による抵抗は生じません。
- 差動がある場合
- プレートに接触しているシリコンオイルの分子がプレートと同回転で動こうとするため,アウター,インナープレートに回転差が生じると分子間が引っ張られ,せん断応力を生じます。このため,回転数の大きいアウタープレート(N2)には回転方向と逆方向に抵抗F2が働き,また反対に回転数の小さいインナープレート(N1)には,抵抗F2と同じ大きさのF1が回転方向に作用します。
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- センターディファレンシャルをフロントディファレンシャルとリヤディファレンシャルの間に設定して,前後輪に駆動力を分配します。
- トランスファーの入力部直前のセンターディファレンシャル部に差動回転数感応型のビスカスカップリングを配置することにより,前後輪間に回転数差が発生した場合は,前後輪に最適な駆動力が分配され,さまざまな路面で安定した操縦性・安定性を実現します。
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- ビスカスカップリング
- シリコンオイルの持つ粘性により,オイルがせん断される時に発生するせん断応力を利用してトルク伝達を行うもので,一種の液体クラッチといえます。
- プレート形状の最適化により前後輪の最適な差動トルク特性を実現するとともに,回転時のアンバランス低減をはかり,優れた静粛性を実現しました。(参照先 ビスカスカップリング )