- クラッシャブル(衝撃を吸収しやすく)化したボデー前・後部とキャビン各部の高剛性化により,衝突時のエネルギーを効果的に吸収・分散し,キャビン部の変形を最小限に抑える衝突安全ボデー(GOA)を採用しました。
- 全方位コンパティビリティーボデー構造としました。カルディナに比べ重量車であるセルシオを用いた前面・側面・後面からの衝突試験を実施。客室空間においてクラス*世界トップレベルの衝突安全性能を追求しています。
- コンピューターによる衝突シミュレーションと数多くの実車試験を基に,正面・側面衝突はもとより,車両の片側だけに衝撃を受けるオフセット前面衝突時においても衝突時のエネルギーを効果的に吸収・分散させる合理的なボデー構造としました。
-
- 構造
- フロントサイドメンバー前端部に大型のフロントバンパーリインホースメントを採用し,衝突時のエネルギーを左右のフロントサイドメンバーに効率良く分散するものとしました。
- フロントサイドメンバーは,板厚に変化を持たせた差厚結合材を用いることにより,前部から順番につぶれ衝突時のエネルギーを効率良く吸収する構造とし,後部は前部で吸収しきれないエネルギーをフロアアンダー部へ分散する構造としました。また,フロントパネルメンバーを介してフロアトンネル部およびフロントピラーと,トルクボックスを介してロッカー部と結合することにより,効率良く他方向にも分散させる構造としました。
- ラジエーターサポートロワーとセンターメンバーを強化し,効果的に衝撃を吸収する構造としました。
- フロントピラー上部からルーフサイドレール部にかけて,フロントボデーピラーアッパーアウターリインホースメント・ルーフサイドレールアウターリインホースメントを連続的に配置することによりフロントピラー部の剛性を確保し,衝突時におけるキャビンの変形を低く抑えるものとしました。
-
- 構造
- ドア開口部回りのリインホースメントをはじめとする骨格部材の配置を最適化し,側面衝突時におけるフロアへのエネルギー伝達性を高める構造としました。
- センターピラー部およびロッカー部は,板厚に変化を持たせた差厚結合材により強度分布を最適化したセンターボデーピラーアウターリインホースメント・ロッカーアウターリインホースメントを用いることにより,キャビンの変形を最小限に抑える構造としました。
- フロア回りは,ストレート形状の各フロアクロスメンバーの採用により,センターピラーおよびロッカー部から伝達される衝突エネルギーを効率良く吸収・分散し,キャビンの変形を最小限に抑える構造としました。特に,センターピラーの侵入量低減に配慮し,センターピラー直下にフロントフロアセンターリインホースメントを設定しました。
- センターピラーロワーガーニッシュ内にエネルギーアブソーバーを設定しました。
-
- ドアは,ドアサイドインパクトプロテクションビームを下方で各ピラーとラップするように配置することにより,衝突時のエネルギーを効率良く吸収・分散する構造としました。また,ベルトライン部やドアパネル内部のリインホースメントを最適配置することにより,ドア強度を確保しました。
- フロントドアトリム内部に衝撃吸収用のエネルギーアブソーバーを設定し,衝突時に乗員にかかる衝撃を緩和する構造としました。
-
- 衝突の際の反動などで各ピラーおよびルーフサイド部に乗員の頭部等が衝突したとき,衝撃を緩和する“頭部衝撃緩和構造”を採用しました。
- リブを一体成形した各衝撃吸収ガーニッシュやルーフヘッドライニング内側に設定した樹脂リブ材がつぶれることで,乗員の頭部などに加わる衝撃を緩和します。
-
-
- 前面衝突時に Brake ペダルを下方に移動させることで, Brake ペダルの後退量を最小限に抑える“ Brake ペダル後退低減構造”を採用し,ドライバーの下肢部に対する衝撃の緩和をはかりました。
- 前面衝突時における Engine などの後退により, Brake ブースター部分が押し込まれると, Brake ペダルサポートとインストルメントパネルリインホースメントを固定しているクリップ(ボルト)が Brake ペダルサポートから離脱し, Brake ペダルサポートは,そのままガイドプレートに沿って後方下側に移動します。これにより, Brake ペダル踏み面は,前方下側に移動するものとしました。( Brake ペダルの復元方法については,修理書を参照してください。)
-
- 万一,歩行者衝突の場合に,歩行者の傷害を軽減する“歩行者傷害軽減ボデー”を採用しました。 Engine フード・ワイパーピボット周辺およびフロントバンパーに衝撃吸収構造を用いることにより,歩行者の頭部・脚部などに加わる衝撃を緩和し,歩行者の保護に配慮したボデー構造としました。
-
- 衝撃吸収 Engine フード(頭部保護)
- フードと Engine との間に十分なすき間を確保した構造とし,衝突時の衝撃を吸収・緩和します。
-
- 衝撃吸収ワイパーピボット周辺構造(頭部保護)
- ワイパーピボットの寸法を短くし,ワイパーとカウルパネルとの間にすき間を確保する構造としました。これにより衝突時にピボットが下方に移動し,衝突時の衝撃を緩和します。また,フードパネルでワイパーピボットを覆い,歩行者の頭部がワイパーピボットに直接当たらないよう配慮しました。(衝撃吸収構造は助手席側ワイパーピボットのみ対応)
-
- 衝撃吸収バンパー構造(脚部保護)
- フロントバンパー内に,エネルギーアブソーバー(PP発泡ビーズ)を設定することにより,衝突時の衝撃を吸収・緩和し,歩行者の脚部に与える傷害を軽減できるボデー構造としました。
-